黒人差別がテーマ『ゲット・アウト』ネタバレレビュー,映画好きなら見るべし【Amazonプライム】
Amazonプライムで配信された『ゲット・アウト』早速見てみたのでレビュー. 2017年アメリカで大ヒット,レビュー高評価でした.
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予告編トレイラー
町山さんの解説も必見
とりあえず映画見る前でも後でもいいから,町山さんの解説を絶対見たほうがいい. じゃないと良さが全く分からないと思う.黒人差別についてよく知りたい人は映画見ただけでは理解できないと思う.
この町山さんの解説で”アイスティー”の話をしてるですが,こういうこともただ映画を見るだけじゃ分からないですよねー
映画の中でなぜアイスティーを飲んでいるのかという背景なんですけど,アメリカの南部では貿易が止められてコーヒーが入ってこなかった時期があるそうなんです.そのときにアイスティーを飲む習慣が始まり,その名残が今も残っていると.南部ではコーヒーはあまり飲まれないらしい.まあ暑いしね,きっと
ホラーじゃなく実はコメディ
まず知るべきことは,監督脚本のジョーダン・ピール.この人はアメリカで有名なコメディアンで「キー&ピール」というお笑いコンビの太ったメガネのほう.このピールはお母さんが白人,お父さんが黒人という家庭で育った.白人の家庭だったため黒人の話し方などができずに黒人コミュニティに入ることができず,白人からも色が黒いからとどこのコミュニティに属することができずに,映画やアニメばかり見て育ったそう.
映画大好きな映画オタクらしい映画の作りでいろんな映画を元ネタにしたりパロディに使ったりと,映画の裏側について知れば知るほど面白い映画になってる.言わばジョーダン・ピールもタランティーノと同じ「映画で育った」人なんだと思う.これからどんどん面白い映画を作っていくであろうピールに注目です.
印象的なシーン
この泣きながら笑うという不自然で不気味なシーン.
すごい演技ですよね.最初見たとき
「何で泣いてるんだ?」と全然訳がわからなかった.このメイドの人には悲しい過去があるのか,白人の雇い主に何かされているのか.
でもこのメイド,初めて見たときからどこか人間じゃないような何かに操られてるような印象はありましたよね. スピーシーズとかターミネーターの液体金属T-1000ロバート・パトリックみたいな感じの.
パーティで出くわしたこの黒人も何がおかしいのかはじめは分からなかった.
でも主人公のクリスは,「こいつ,おかしいぞ,,やべえ」
みたいなリアクションでした.確かに見終わってから振り返ると,まず喋り方ですよね.まずあのシチュエーションなら南部訛りな感じのしゃべりが普通でしょう. でもこの黒人は,妙に紳士みたいなしゃべりで白人ぽいor 高齢ぽい?
それからブルックリンの若い青年なのになんだこのおっさんみたいなファッションセンスは?ってことだったんですね.
Get out !
怖いなと思ったシーンが,クリスがお義母さんに催眠をかけられるところのシーン.
「沈んだ地」とかそんなふうに表現されてました.底が抜けて見えない奈落に落ちていくようなあの描写
外への視界はテレビの画面のようになってどんどん小さくなっていく.
このワンシーンがサイコホラーというか心理的にすごい怖く感じました.夢で見たようなデジャヴでもあり,自我が肉体と離れていくというのを的確に表現していると思います.ある意味この催眠シーンも「この肉体から出て行け,Get out !」でしょう